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2013/12/12台湾旅行記(2)-国立故宮博物院、中正紀念堂


ホテルの8Fベランダから 
目が覚めたのは6時。横で妻が僕のイビキで眠れなかったと愚痴っている。変な夢を見た。僕らが寝ていると(いるはずもない)社員らが出勤してきたり、妻と路上で生活していたら夜が明けてきて星空がとても美しかったこと、高台を散歩してると真っ黒な火事の煙が何本もあちこちから立ち上がり近所の人らと火事だ!と大騒ぎしていると自宅にも火が移り、そこで遊んでいるはずの息子を見つけて妻が突っ込んでいき、猛然と無事回収してきたのをみてほっとしてみたり。異国の夢とは思えぬリアルさだった。
朝でも雨でもバイク大会

どうにも部屋が肌寒いのでエアコン入れようとしたら冷房しか設定できないようだ。南国なのだから仕方がない。ところで台湾ではトイレにトイレットペーパーを流してはいけないらしい。なんでも水に溶けないらしく、備え付けのゴミ箱にそのまま棄てろと書いてある。たまたまシャワートイレだからいいようなものの。

ホテルを出ると雨はほとんど止んだようだ。MRT円山駅まで歩く。予定では午前中町歩きした後、午後から故宮博物院のつもりだったけど天気が悪いので先に博物院に行くことにした。その前に駅ちかくのお店で朝飯でも食べようかと思ってたんだけどどこもまだ開いてないみたい。夜は遅くまで活動する台北市民、そのぶん朝はゆっくりのようだ。

快楽1号
駅の自販機でEZカードに100元チャージしてみる。一駅乗って昨日の士林夜市あたりを歩いてみるが完璧に街が眠っている。このあたりは夜専用らしい。また一駅乗って次の士林駅で下車。駅前にファーストフード的な店を見つけて、メニューにある快楽一号と鉄板麺、紅茶などを頼む。客は若い女性ばかりだ。若い女子の店員らはクリスマス仕様なのか赤い帽子を被ってでよく働いている。店先でオーダーして先払いのあと、料理を持ってきてくれるシステム、二人で500円程度食べたらすっかりお腹いっぱいに。

ここから故宮博物院までタクシーに乗ろうかと思ってたけどちょうどバスが来たので乗る。車内は学生たちでいっぱいだ。バスの運転手さん、停車中とはいえ携帯鳴ったらそのまま喋り出すのがお茶目。車内スピーカーでみんな聞いてるよー。

故宮博物院へ向かう
国立故宮博物院では大人2人の入場券を買い、分厚いiPhoneみたいなオーディオガイド(日本語)を借りる。館内撮影禁止。今朝ベッドの中で読んできた台北ナビに書いてあったとおり、三階から順に回ることにした。まずは青銅器。恐ろしく古い時代なのに精密精巧だ。噂の翠玉白菜は思ったより小さくて、それがまた良かった。いにしえから人間はユーモラスだ(言葉としておかしいか)。

詰めかける観光客たちは恐ろしく元気で大騒ぎで強引だけど、不思議と嫌な気はしない。製作者も何千年も後の人間たちに囲まれてきっと幸せなことだろう。

縄文土器をさらに複雑精緻にしたようなも土器も多数。どちらがオリジナルか知らないけど古代大陸に集められた才能の分厚さみたいなものを感じざるを得ない。古代のヤマト人の大陸文化への憧れは絶大だったろうなと想像してみる。

しかしこの階だけで2時間たっぷりだ。正午を過ぎたころに2階におりて用を足し、館内の無料Wi-FiにiPhone接続してメールチェックなど。雨に濡れるのが嫌で素足にズック履いてきてたのだが疲れたので持ってきてた靴下を履こうとしたら警備の女性に中国語で注意されちゃった。「外国の人も来てるのよ、中国人として恥ずかしい行動はおやめなさい!」とか言われたのだと思う。平身低頭。

2階の陶磁器関連を全部見回る。特に白磁器は滑らかで美しかった。ただかなり足が疲れてて椅子を見つけては座ってしまう。一階に降りて書を眺める。昨日、孔子廟にて書体の変遷を見てたのが予習になった。書はほんとに美しい。言葉が書き連ねられ、そこに特別な精神が宿ると考えられていた時代。ほぼ失われたそんな感覚はこんな芸術を見てるとなんとなく伝わってくる。スクリーンに映し出される漢字の変遷を表すCGムービーからは現代テクノロジーがまた別の迂回路からそんな時代の感覚に近づこうとしているのが不思議に思えた。

最後は清の乾隆帝が現代サブカルチャーの元祖だったら的なポップな展示。80年代の京都、新京極「詩の小路ビル」的感覚だなあと思った。島の若者もなかなかヒップだ。

4時間堪能した
全階全展示物コンプリート!を喜び出口に向かうとぞろぞろと日本人団体が上ってきた。セーラー服や学生服姿の修学旅行生もたくさん。やはり午前中に回って正解だったみたいだ。
オーディオガイドを返却し、壁にもたれてこの後の行動を調べてたら日本語を話す老年ドライバーが笑顔で話しかけてきた。安いよ、どこ行く?と聞いてきたけど僕らは「バスや徒歩でうろうろしたいんだ」と答える。ニコニコして追いかけてくるでもない。でも隙を見て「安くするよ」なんて小声で声かけてくる。なんかインドでも上海でもベトナムでも日本でもないこの距離感、悪くないなあ。

小籠包は確かに美味かったが
Googleマップでバスを選択。玄関前でお互いを記念撮影したりちょっとは観光客らしいことをしながら少し気温の上がった曇り空の下を歩いてたら今朝降りたバス停に304番バスがちょうど止まっていたのでするする乗り込む。初めは満杯で座れなかったけど、士林でみんな降りてくれたのでゆっくり座れてようやくひと休み。よく歩いた。妻はガイドブックを開いて何を食べるかずっと調べている。14時過ぎだ。

そして降りる予定だったバス停をしっかり乗り過ごした。このバスは停留所の間隔がやたら長い。あれよあれよという間に目的地からどんどん離れてしまった。とりあえず次で降りる。調べたらここからだと次の次に行こうとしてた中正紀年堂まで歩いて行けそうだ。ともかくは歩きながらどこか食べるところを見つけるプランB作戦へ。
中正紀年堂

ぶらり四つ角に見つけた黄龍荘というお店へ。小籠包、汁なし坦々麺、ビール。ついでに小皿。案外美味しくて貸切り状態でほっこりしてしまった。

しばらくしてまた歩く。まだ寒い。目的の中正紀念堂へ。でかい。1時間に一度という衛兵の交代セレモニーを見学。たくさんの観光客がスマホで動画を撮っている。まるで体育会系大学の応援団のようだ。そうだ、確かに何かを応援する儀式なのだ。すると突然トイレ行きたくなる。しかも眠い。そして寒い。あかん、これお腹壊してるわ…。

中正紀念堂のトイレから始まったこの下痢に一晩悩まされることになった。駅まで歩き、どこかへ行く予定だったが僕だけホテルに戻ることにした。妻は台北駅に行ってWi-Fiのサービスに申し込むという。電車の中でまたひとり下痢を催す。駅からホテルの部屋に戻るまでの区間が地獄であった。こんな時に限ってセキュリティの強さが恨めしい。昼メシの何かがヒットしたのだろうか。

腹巻き装着の上で死んだように眠る。しばらくして妻が戻ってきた。コンビニでビールとツマミ買ってきたのでこれから一人部屋のみするらしい。僕にはインスタントお粥買ってきてくれたらしいがまだ食欲はない。起きてゆっくり風呂に入る。熱い。枝豆の匂いで一悶着。夜半までいろんな話する。ねる。

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