スキップしてメイン コンテンツに移動

2013/12/13台湾旅行記(3)-晴光市場、行天宮、龍山寺、足裏、海鮮、大龍街

さて台湾旅行三日目の朝。8時前に目覚める。体調は復活。しかし昨夜に続いてイビキがうるさいと夜中に何度か蹴られた。日ごろ別の部屋で寝てるから気になるのだろう。東京に行ったときには息子に蹴られたことないのだけど。窓の外を見ると天気はやはり曇り空が続いている。
大学キャンパスへ若者たちが歩く

9時過ぎに部屋を出る。MRTの高架をまたいで大同大学と書かれたキャンパスを過ぎたあたりの大衆銀行という店舗を見つけて両替を試みる。名前からして消費者金融かなと思ったがそういうわけでもないらしい。

若い女性従業員たちがガムかみながら働いてるのだけどきちんと仕事してるって感じはなんか良いなあ。やることやれば自由でいいじゃないか、と最近つくづく思う。

ここ数年の日本はむやみに堅苦しくなった。「完成しきった社会」という感じがする。数年前に登場したSNSは当初ゆるーいコミュニケーションツールだったはずだが、いつの間にか「完成度をさらに高めるためのチクリツール」になってしまった気がする。そういうのは本当に息苦しい。他人はもとより、自分にまで不寛容過ぎるからきっと自殺率も高いままなんじゃないかな。もっと何でも許し合えたらいいのに。妻が両替している間、ニコニコ顔の警備員のおっちゃんを眺めながらそんなことを考えた。

まだ暗い晴光市場
小雨の中、さらに歩いて晴光市場へ。ガイド本に美味しくて安い朝食屋があると書いてあったらしいのだ。暗いアーケードに入ると目的のお店は見つかったが、おばちゃんが一人で準備をしているだけだった。聞けば営業していないという。もう10時過ぎてるんだけどな。やっぱり朝はゆっくりなのだろう。

美味しい朝ご飯
すぐ近くのお店のおばちゃんに声をかけられたので入ってみるとなかなか良い食堂だった。ここでも壁に貼ってある漢字メニューであたりをつけ、各自オーダーシートと鉛筆をテーブルまで持ってきて食べたい名前に○を書いて渡すだけの台湾式だ。値段まで事前に分かるから安心。欧米人にはやっぱ無理だろうな、とちょっと優越感持ってみたり。

オーダーしたのは米粉(ビーフン)、空芯菜、揚げ豆腐、意麺など二人分で580円くらい(もちろん朝なのでビールなど飲んでません)。なかなかに美味しくてさらに元気復活だ。台湾は日本より薄味だと聞いていたがその通りだ。だからといってベトナムみたいにテーブルに置いてある調味料を総動員する文化でもなさそう。薄味だからといって物足りないって味でもない。僕みたいに血圧高めの人間にはとても良い環境なのかもしれない。

満足して外に出ると朝市が始まっていた。たくさんの犬たちはノーリード。日本ではすっかり見かけなくなった光景だが、怖くなるわけではない。だが日本でノーリードの犬が近づいてきたらきっとドキドキしてしまう。ほとんど似たような街並みなのに、やはり何かが違うのだ。日本が行き過ぎているだけなのかもしれない。

妻は用もないのに近くの地下鉄駅に潜り、昨日台北駅でゲットした公衆Wi-FiをiPhoneに接続することに自力で成功。これでレンタルルーターを持ち歩いてる僕の近くに居なくてもネット使えるようになった、とまるでリードの外れた飼い犬のように喜んでいる。


どう考えても自動翻訳
町歩きをしていると漢字に混じってたくさんの日本語を見かける。多いのは「」の字だ。英語で言うところの of とか 's のところに日本語「の」を使うのが流行しているのかな。もしかしたらオシャレに見えるのかもしれない。だとすればちょっとこそばゆい漢字。マッサージ屋さんが日本人向けにつくった看板がいかにも自動翻訳で面白い。狙っているのかもしれない。

トイレを借りようかと立派なホテルに入ってみる。僕は小汚い格好してたのだが追い返されることはなかった。急に西欧人が増えた。トイレはずっと清掃中で使えなくて残念だった。ここでもトイレットペーパーが流せないのか,確かめたかったのに。

行天宮」ってとこに行こうという話に。台北ナビでざっと読む。今回ほんとに役に立ちました台北ナビ。高級でも貧乏旅行でもない今回の僕らにはちょうど具合がよいのだ。

カフェでゆっくり
高級ホテルを出るとまたポツポツと雨が落ちてきた。まだ時間も早いし、ちょっとゆっくりしようかねと、目に入った看板に導かれ喫茶店に入ってみた。今回の旅で初のコーヒーを頼む。結果的にこの喫茶店にはけっこう長居することになった。窓の外が大雨になったこともあるけど、コーヒーのお代わりやスナック菓子、ラテ茶などが無料でどんどん出てくるのだ。しかも若くて可愛らしい店員さんが持ってきてくれる。まるでどこかのリゾート地にあるしゃれたカフェのような雰囲気だった。僕は下川裕治 著「週末台湾でちょっと一息」を文庫を読んだりしてゆっくり過ごす。妻も何やら読書のようだ。雨は上がったり降ったりしているけどそろそろお昼近いので行天宮へむかうことにした。


人間を人間が癒す
行天宮では事前に台北ナビで予習した通りに御参りした。宗教と生活が一体になってて良いなあと思った。近代以前の社会では医療という要素もあったのかもしれない。白衣を着たおばちゃんたちが参拝客に何かを尋ね、線香の煙を一生懸命掛けてあげてる姿を見ながらそう思う。投薬したり外科を施すことができなかった時代、一連の儀式を通じて本人の回復力を支援したり、あるいは本当に何らかの気を伝えることが可能だった時代があったのかもしれない。きっとあのおばちゃんたちは「大変でしたね、でももう大丈夫、気をつけましょうね」、と言っているに違いない。それだけでもきっと人間は回復へと向かうはずだ。

酔っ払い鶏
地下鉄に乗って東門へ。酔っ払い鶏を食べるのというのだ。小洒落た店にはメニューがないが、壁に書かれた日本語と写真を頼りにオーダーする。何はなくともビール。トイレもここで借りる。ちょっとピークを過ぎた時間の自由な客を眺めながら楽しいひとときを過ごす。料理はもちろん美味しかった。今までより高かったけど。短い旅は予算の制約も少ないのでできるだけ上から下までいろんなクラスのレストランを体験してみたいと思う。といっても自ずから上限と下限は制約されるけど。それでも学生旅行のように無理して貧乏自慢したり、やたらと値切ったりすることはもうしない。どっちみち無料航空券で来てるんだし、もう十分だもの。

GoogleMap大活躍
店を出て目的もなくぶらぶら東門地区を歩く。若者向けのオシャレな街のようだ。雨は上がった。どうせだから「龍山寺」に行こうかってことになった。実は昨日バス停を乗り過ごさなければここに行っていたはずなのだ。お祈りついでだ。Google Mapでバスを調べ、近くの停留所から245番に乗る。タクシー使えばいいものを、どうも貧乏癖が。でもバスはバスでとても楽しいのだ。プリペイドカードになってからは本当に気楽だしGoogleマップが使えるので乗り継ぎもとても簡単になった。

お供え物に花を買った
その龍山寺に到着、門の前でおばちゃんからお供え物のお花を買う。門のところで有料の線香を買う。門をくぐると壁に貼ってあった日本語の案内でお参りの方法を学習する。中に入ると静かだった行天宮と違い、スピーカーから流れる独特なメロディの南無阿弥陀仏コーラスが不思議な五度でハモって流れている。大勢が行列をなして参拝している。僕らはまずどうして良いのかわからずにつっ立っていると、寺の老人が一生懸命何やら教えてくれた。言葉はさっぱりわからなかったが、まずはそのお供えをあそこに置いてこい、それからだ、ということらしい。

これは日本と同じ光景
お供えを置いた後、線香に火をともし、右回りで七回の参拝をはじめる。それぞれの神にお願い事をするのだ。見渡せばみんなも真剣にお詣りしている。僕らはそれぞれお祈りをしたあと、最後に東京で予備校生をやっている一人息子の大学合格を願う。その後「願い事は叶いますか?」と神様仏様に尋ねるおまじないをするのだが、良い結果がでるまで何度もやり直すバカ親ぶりであった。しかしこれが叶ったらお礼参りには絶対来なくてはならないらしい。それは二重にラッキーである。
線香を一本ずつ投げ入れる

紅い蝋燭が印象的
龍山寺を出てすぐの華西商店街へ。だんだん日も暮れてきた。噂通りのなんか怪しい感じ満載である。なんとなく嗅覚が働いてとある横丁に迷い込んだのだけど、そこに茶藝館とかカラオケの毒々しい看板が立ち並び、露出度の高い派手なドレスを身に纏ったお姉さん(たぶん)らがひっそりと歩いていた。どう考えてもお茶飲むお店じゃないよなあ、と緊張しつつ、でも当方夫婦連れだから声をかけられることもなく無事に通過。そのほかゲテ物食堂とか、アダルトグッズ専門店とかけっこう怪しさを捻り出していた。でもだからといって日本の本格的に怪しい風俗街的な光景ではない。なんだろうこのぬるさは。いいなあ。

なんか怪しいぞ華西
足裏マッサージ
歩き回って疲れたので目に止まった足裏マッサージ屋へはいる。日本語少し分かるおっちゃん、平日5時までの40分300元サービスをギリギリのタイミングで。二人並んで施術されたが、足元にセットされた自動足洗い器からはじまり、足裏ぐりぐりから膝の下をシステマチックに揉みしだかれ、最後はちょこっと肩も叩いてくれて大満足。たしかにちょっと痛い瞬間もあったけど、泣くほどではない。マッサージ椅子には液晶ディスプレイも完備、「日本語モアル」とリモコンを渡してくれたけど、もっぱら現地のニュースとかをザッピングして過ごした。マッサージ人どうしがやたら仲良かったからもしかしたら家族や親族でやってるのかもしれない。すっかり足が軽くなった。

解散料理店の店頭
足取り軽くMRTに乗って東門へ戻る。妻がガイドブックでマークしてた海鮮レストランへ行く。店頭でいきなり日本語にて交渉。ここで海産物の現物を指さしながら食べたいものと調理方法をオーダーするのだ。何となく日本語が通じるあたり、観光客対応完璧、みたいだ。

これが上海蟹!
二階に通されテーブルでビールを頼む。確かにどの皿も美味しかった。ついに上海蟹がやってきた!たしか1杯だけオーダーしたはずだがどこかで自動的に2杯になってた。えらい高いけどまいっか。若いお姉さんが目の前で丁寧に分解してくれる。実は生まれて初めて食べるんだけど、とろーりとした触感が美味でありました。つい機嫌良くなった僕らはタガが外れてしまって紹興酒をボトルで注文。これ余ったら持って帰れますか?なんて必死で交渉した割には全部飲んでしまった。かなり贅沢したけど結果2人で9,520円也。台湾ではかなり高いかもしれないけど、ま、いっか。他の客は現地のビジネスマン団体さんや西洋人男性二人連れとかだった。職場の飲み会はどこも同じ雰囲気だ。言葉はまったくわからないけど、神田あたりの中華料理店2階で飲んでるビジネスマンと区別はつかない。

大龍街の屋台でしめた
旅客機低空飛行
すっかり酔っ払ってホテルのある円山駅へ移動。駅を降りてももう少し飲もうと初日の大龍街まで歩く。まだ21時前だというのにもう店じまいしはじめてる。相変わらず低空に着陸してくるジェット機がすごい。まだやってたおばちゃんの屋台で焼飯とエビ小皿を頼む。ビールはさっきファミリーマートで買った缶をこっそり持ち込み。2人で680円だった。まあ俺ずっと屋台でもオッケーだぜ−、なんて軽口を叩いていたと思うけど実はこのあたりで記憶がない。

ホテルまで歩き、シャワー浴びて写真の整理してたら寝てしまう。グルメで楽しい一日であった。

コメント