スキップしてメイン コンテンツに移動

2014年11月12日(水)熊本から御徒町へ

11月11日。毎月第2火曜日夜の仕事(勉強会の理事会出席)を終え、明日の朝は早いのだからパッキングをしてから寝ようと一度ならずも考えたのだけど、「明日から一人だバンザイ」ムードの妻に付き合って酒飲んでしまって案の定というか中途半端にとっちらかしたまま寝てしまった。

11月12日。今日は東京で仕事があり、そのまま都内ホテルに宿泊し明日からイギリスに渡る予定だ。東京への1泊往復エアーを12日出発25日帰着のなか1泊だけするというANA国内ホテルパックで手配し、その合間にイギリスへ往復するというマトリョーシカ的なプランを思いついた時には、旅費の節約のためなら目の前の仕事をほっぽらかして何時間でも考え込むという会社思いの奇習を自覚してしまい情けなくなったものだ。

朝からパッキングである、今回も
朝7時に目を覚ましてパッキング作業を始めた。今回の荷物に関するコンセプトは以下の通りだ。

  1. ラップトップパソコンは持っていかない
  2. キャリーバッグは持ち歩かない
  3. 機内預けはしない
上記の三原則を厳守すると必然的にバックパッカーになってしまう。べつに新潟港から密航してシベリア特急でロンドンまで行くで、的な意気込みなんてそもそも持ち合わせてないのだから普通の格好していけば良いのだが、なんとなくそれじゃ普通の出張みたいじゃないすか。もうすぐ50歳になろうって身としては40代のうちにもうちょっと冒険をしておきたいのです、冒険。エリーもマッサンに言っていたではないか、Adventureよって。いや朝ドラなんてどうでもよいのだけどとにかくできるだけ軽い荷物で出かけるべき理由があったのだ、僕には。

その理由は一も二もなく「なんだこの円安は」である。
日銀?黒田総裁?バズーカ?知らんがな、僕は株券も持っていないし輸出するような特技もないし売上至上主義の会社で働いているわけでもない。どちらかといえばこの20年くらいはデフレのおかげでどうにか生き延びてきたようなBaby You're ニッチマンなのだ。

そんな僕が年に一度だけ「HP10倍!」みたいな美味しい思いを満喫できる場こそが海外旅行だったはずである。
特にインドベトナムに円を持ってでかけると「この俺がこんな金満でよいはずがない」的自問自答に最後まで付きまとわれるほどの「役得」に恵まれる。それもこれもプラザ合意以降の円高のおかげだったのである。

http://jp.reuters.com/investing/currencies/quote?srcAmt=1.00&srcCurr=GBP&destCurr=JPY&destAmt=&historicalDate
ロイターさんのページから引用
そんな場末の夢を打ち砕く黒田バズーカが突如として発火したのは10月31日であった。気がつけば1ポンド182円くらいになっていた(まあもともと170円台だったんだけど)。加えてロンドンは世界でも有数の物価高で有名な都市らしい。せめて1泊目のホテルくらい日本から予約しておこうとBooking.comを検索してたるうちに「やばい、これはベトナムに行くのとはわけが違う」という危機感を持つに至る。パディントン駅近くのなんてことないB&Bのシングルルームで1泊13,000円とかするのだ。往復無料のマイレージ航空券で現地に行ってもそれを11泊もすれば大金をブリテン島に残していくことになる。どうせ酔っ払って寝るのだ。目をつぶればもう何も見えないのだ。夢なんてどこで見ても一緒だ、たいてい不可思議か理不尽かさもなくばエロだ。どげんかせんといかん。

実際に泊まったドミトリー
というわけで今回の旅は異国の旅人が同じ部屋をシェアし、ベッドだけを占有できるドミトリーを泊まり歩くことになった。これだと高くても1泊5,000円くらいだ。うまくいけば1,000円台で宿泊できる。たとえ夜の国際いびき戦争になったとしてもそれならば若者どもに負ける気はしない。要するになんちゃってバックパッカースタイルである。

しかしその場合、荷物はどうなるのか。たいてい足元にロープで括り付けるわけだが、ばかでかいスーツケースもそうするのか?二段ベッドの上の階に寝ることになったらキャリーバッグを持ち上げてそれを抱いて寝るのか。ムリムリ。ダメよダメダメ。


熊本空港にて
以上理由だけがだらだらと長くなりましたけれども結論として宿が宿なら格好までも、苺を喰らわば血までってことで24年前にヨーロッパを1ヶ月放浪した時に買ったバッグひとつで行くことにした。ほうぼうくたびれてかなりの機能が失われているが基本的な機能はまだ生きている。下着類は3日分に抑え、ガイドブックなどはスキャンしてiPad miniに仕込んだ。最低パスポートとクレジットカードさえあれば生きて帰ってこれるはずだ、と妻も力強く言っている。実際20年前にアメリカでパスポート紛失しても帰って来れたんだから、本当に必要なモノを厳選すればiPhoneとその充電ケーブルだけだorz



ええい前置きが長いわ。この調子だと旅日記がライフワークになってしまう。


御徒町横丁のネコに見送られる
さてそういうわけで柴男も見守る中、朝イチ仕事のパッキングもささっと終わりまして、妻に熊本空港まで送ってもらっていつもの羽田空港へ。モノレールと山手線で御徒町へと移動、仕事のミーティングを3つほど連続で渡り歩いたあと、取引先若社長と田原町あたりの焼鳥屋で痛飲。この時点でまだ22時前だったのでビジネスホテルに戻る前に、ついふらふらと今年の春まで住んでいた界隈を徘徊してしまう。ひところ通った駅裏の安居酒屋で生ビールを仕込み、気持ちよくなってホテルに戻った。

一向にイギリスの話になってませんが、明日13日は時差の関係で33時間くらいありますんで今回はこのへんで。


コメント