出発進行、なのだ |
朝食は1Fのガストへと案内され、しばらく白米から遠ざかるかもしれんからなと和食を選択したのだがさほどに感慨深いものでもなかった。食後ホテルの周りを一回りすると目の覚めるような青空だ。円安・原油高は東京の空をキレイにするという事実を実感する。
部屋に戻るとNHKでマッサン始まるとこだった。昔の酒飲みの話である。エジンバラまで足を伸ばすのも一興かなあ、でも遠くて寒そうだしなあ、なんてこの後に及んで到着後2泊目以降の予定はいまだ真っ白でなのである。
荷物はこれだけ。 |
2回のうち最初の機内食。 |
ところがだ。シートに仕込まれたディスプレイを立ち上げて映画のメニューを見たのがいけなかった。面白そうな映画が目白押しなのである。しかも新作揃いだ。昨夜もほとんど寝てないので眠くなるまで見ておこうかと作品を選びはじめたのがまずかった。けっきょく現地に着くまでほとんど寝ることなく映画を見続けることになってしまった。
旧満州とシベリアの国境あたり |
次に見たのが「ジャージー・ボーイズ」。クリント・イーストウッド監督作品でこれまた事前に良いって話は聞いてたけどこれも音楽を扱った素晴らしい作品だった。
3本目が「はじまりのうた」。なんか既視感のある話だなあとあとで調べたら監督が「ONCE-ダブリンの街角で」と同じなのだった。ダブリンをNYに、主人公を女性に変えての焼き直しって感じだった。有名女優らしいのだけど歯並びすげえとかそんなことに気を取られてしまったのが残念だったけど楽しめた。
という音楽絡みの映画を3本見てしまったので、ロンドンまでのフライト12時間のうち半分は映画を見ていたことになる。あとはiPadに自炊式で仕込んだガイドブックを読んだり、文庫本を読んだりしていて寝てた時間は1時間にも満たない。修学旅行生なみだな。
空港に着いてからどうやって市内に行くのかとか、両替はどうすべきかとか地下鉄の料金制とかチップは必要なのかとか、全くといってよいほど知らない状態だったのでガイドブックを読み込んで付け焼き刃を磨くのだがまったく光らない。でもまあ現場に行けば何とかなるはずだ。たぶん。
二度目の食事は軽食 |
イギリス上空に差し掛かるが雲が分厚くて国土の様子はほとんどわからない。ヒースロー空港に着陸する直前にようやく農村地帯の風景を見ることができた。ときおり思い出したようにマッチ箱のような家が連なっている。そして日本人パイロットらしいシルキーな着陸だった。
到着したターミナルから移動 |
ヒースローコネクト |
列車に乗ってしばらくするとみるみるうちに日が暮れていく。時計を見るとまだ16時ちょっとだ。ロンドンの緯度は宗谷岬よりもさらに北、サハリンあたりだそうだ。緯度が高いぶん冬の日照時間は短い。そりゃ観光客は夏に集中するわなあ、なんて考えてるうちに終着駅のパディントンに到着。なぜか大貫妙子の曲が脳内をループしてしかたがない。ああ、大村憲司のストラトサウンド。
パディントン駅 |
ウェールズ王国の首都を名前に冠したこのホテルは白い壁の続く美しい長屋(失礼)の一角を占めるこじゃれた宿である。入口に飾られた花が美しい。玄関のドアを開けるとインド系の青年が対応してくれた。僕の部屋は4階(英国式では3F)らしい。エレベーター(リフトか)なんてのはないから赤い階段をひたすら上る。キャリーバッグなど持ち込まず正解だった。
部屋は屋根裏みたいなちょっといい感じの狭さのシングルルームだ。バスタブなしだけどシャワーもある。テレビも壁に掛かっている。読書灯もある(ただし球はない)。荷物を置いてちょっと休んだら外を歩いてみよう。まだ18時回ったところなのだ。
ホテルを出てパディントン駅前をうろうろしてみる。最後にアメリカに行ったのはずいぶん前のことだが、NYやLAとはなんか感じが違うなーというのが最初の印象だった。どちらかといえばむしろ東京に近い感じもする。何がそうさせるのだろうとずっと考えながら歩いていたのだが、以下の要素ではないかと思えてきた。
- クルマが左側通行である
- 道路やクルマやお店のサイズが日本と変わらない
- 人間のサイズも日本とたいして変わらない(縦横)
たぶん上記が僕があまり異国感を感じない理由なのだろう。考えたらここは大陸ではなく日本と同じ島国なのだ。サイズ的にはそんなにでかくなりようがない。加えてアメリカ大陸と比べて古い建物が多いってのもあるのかも。じゃあ日本の都会にどれだけ古い建物が残ってるかと言われるとそうでもないんだけど。あとアメリカ大陸に比べるとLLサイズの人体の比率が少ないようだ。街ゆく人のふるまいを眺めていても、アメリカやインドのように「OSが違うんじゃないか」などと疑わせるシーンはない。土地や歴史が何か影響しているのかもしれない。
このお店でSIMカード購入 |
iPhone6を見せて、これで2週間ばかり使いたいんだけど言ったら「Lycamobileの1ヶ月使い放題カードがいいよ」というので、それで良いよと買うことにした。カッターでSIMをマイクロ仕様に加工し、設定までしてくれた。僕のiPhoneの日本語メニューが読めないというので英語仕様に変更したらあとはこねくり回して使えるようにしてくれた。1ヶ月で5,000円という値段は相場的に安くないのかもしれないけど、パケット上限なしってのが気楽でいい。通話もできるらしいのでこの番号をあとで日本の取引先に教えておけばいいわけだ(掛かってこないと思うけど)。25日まで使ったけど回線の繋がりは上々、不具合も無かったので満足している。
ここ数年海外に出るとソフトバンクの海外パケ放題にしたり別途モバイルWi-Fiと契約して持ち歩いたりもしたけど、せっかくSIMフリーiPhone買ったのだし、何と言っても日本と同じ環境で無制限に使えるのは気楽で良い。都会ならLTEで繋がるみたいだから速いし、もちろん圧倒的に安い。
さて次は夕食だ。あまり酒を飲むって感じでもないので(睡眠不足)、ファストフード的なフィッシュ・アンド・チップスの店Sussex Fish Barに入ってみる。店員に「生まれて初めて食うのだがどうしたらよい?」と言ったら適当なサイズのメニューを指さしてくれたので、それとコーラを頼む(酒類販売してないそうで←いちおう聞いてみた)。しばらくして運ばれてきた料理は白身魚フライのフライドポテト付きって感じ。ビネガー垂らしてさほどの違和感なく食べる。ただし量的にポテトは残しちゃったけど。眺めていると次々に客がやってきては持ち帰り(イギリスではTake OutといわずTake Awayというそうだ)していく。だいたい冗談言い合ってるので常連さんが多そう。国民食なんだなあ。
帰り道、雑貨屋でミネラルウォーターと缶ビールを買って部屋に戻る。シャワーを浴びてビールを開けたが唐突な眠けに襲われ半分も飲まないうちに寝てしまった。
ホテルの窓からみる夜景 |
今日は時差の関係で24時間+9時間の33時間もある1日だった。考えたら映画ばっかりみてた気がする。それも小さな画面で。明日からはいよいよ本格的にイギリス生活だ。
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