自立するレノボYOGAタブレット2 |
ところでiPhoneがどんどん大画面化していくにつれ、以前よりiPadを利用する機会が減ったことは事実である。でも出先でちょっとした仕事のプレゼンしたい場合とかにはやはり画面の大きなタブレットが欲しくなるものだし、バッテリー持続時間を考えてもスマホと別にもう一台バックアップ的に持ち歩く意味は十分にある。その結果短期間の出張であればMacBook Airなどのパソコンの代わりとしてもある程度機能するのである。だからタブレットは必要なのである。僕はiPadセミナーの講師なんてもやってるし、自社サービスをタブレット版でも展開しているわけだし、やはり僕は最新のタブレットを持ち歩かなきゃ立場上いかんわけですよ。以上はどす黒い物欲に対する長い言い訳であります。
(2015/08/12後日談を追記しました)
■個人的タブレット史
さて僕にとって最初のタブレットは人類にとってもたぶんそうであった初代iPad(16GB Wi-Fi黒)である。発表と同時にアップルストアオンラインに予約し、手元に届いたのは2010年5月28日のことであった。以来朝から晩まで肌身離さず撫でくりまわし、気がつけば各地でiPadについて講演したりとすっかりタブレット漬けの生活に沈殿したのだった(iPad2を買い、退役させた後は被災地へ寄贈)。2台目は2011年4月末に購入したiPad2(32GB白)は3Gモデルだったこともあり、機動力を活かして全国各地を一緒に歩いて回ったものだ(今は一人暮らししてる息子がWi-Fiモデルとして使ってるはず)。
iPadminiとiPad2 |
この4年半の間にもiPhoneは3GS→4S→5S→6と代替わりさせてきてるわけだし、別にMacBook Airも2台、妻のiPadやiPhone、息子のiPhoneも含めると僕もクパチーノ本社の柱の外装の塗装の下塗りの接着材の一部くらいはアップルに貢献してんじゃなかろうか。
さてそんな自称林檎信者風情的にはすんなり新しいiPad Air2あたりを買うのが順当やろねと思ってたのだけど、なぜか突然「そろそろAndroidタブレットでも試してみよか」と思いはじめてしまったのである。
なぜかは分からないけど妙にAndroidへの浮気心を押しとどめることができなくなり、最初はSONYのXperia Z3タブレットに執心してしまう。軽いし防水だし国産だし、昔からSONY好きだし、浮気相手として完璧な気がしたからだ。でもなーSIMフリーモデルがないしちょっと画面が小さすぎるからiPhone6と棲み分けできないんじゃとか、何となく僕の求めてるモノとは違うかも、って少し冷静になってきた。
■今回欲しいタブレット像
そこで現時点で僕は次のタブレットに何を望んでいるのか、まとめてみた。- SIMフリー端末であること ←海外にも持ち歩こうと思った
- 画面は大きな方が良い ←iPadminiだと商談時のプレゼンに難があった
- 最新機種であること ←遅いのはもうこりごりだった
そうして浮上したのはレノボのYOGA Tablet 2であった。レノボといえば10年ほど前まで僕はThinkPad赤丸信者だったのだ(当時は日本IBM製だったけど)。出張ついでに京都駅前の大型電器店で8inchモデルに触ったのがご縁の始まり。他とは違う少し妙なカタチに心惹かれてしまうのは昔からのクセなのだけど、あちこちネットを嗅ぎ回ったりして最終的には下の動画に魅了され、よしこれだこれを買おうとに決めたのでありました。
■YOGAタブレット2のどれを選ぶか問題
画面のサイズだけで3種類ある。しかもOSはAndroidとWindowsが選べる。それぞれに内蔵ストレージサイズも選べる。おまけに分かりにくいことに直販モデルと量販店モデルがありSIMフリーモデルは後者だ。全くよくわからんのであちこちネットで調べ、アップル製品に比べると全然少ないクチコミや海外の動画レポートなどを頼りにLenovo YOGA Tablet 2 SIMフリー(Android 4.4/Atom Z3745/16GB/10.1型ワイドIPSパネル) 59434335(長ぇ・・・)に決定。
開封後、まず充電。ケーブルはそうかMicroUSBか。充電儀式中は心安らかに起動したりしてはいけない。都市伝説かもしれないけど最初はきっちりフル充電し、そこから0%になるまで使い尽くすという儀式を行わないといけないことにしているのだ。それにしてもフル充電までけっこうな時間を必要とする。18時間使えるというバッテリーだからそんなもんか。
充電後はさっそくWi-Fiに接続し、Googleアカウントにログインしさえすればもうなんてことなく使うことができた。あっけない。iPadやiPhoneでも最近はGoogle系のクラウドアプリに過剰依存気味なので同じ会社がこさえているAndroidだったら具合が悪いはずがない。レノボが独自で搭載している機能やアプリに慣れるのに少し時間を要したけど、iOS 8とAndroid4.4.2はけっこう近い操作感なのだなあと実感した。
それしても「自立する」とはなんて革新的なのだろう。iPadや他のタブレットでもその手のケースを使えば立つわけだけど、やはり裸で立つ!というのはすごいことなのだ。食卓や居酒屋のテーブルみたいにさほどスペースがないところでもすっくと立つ。余計な底面積を必要としないのがいい。動画を見たり写真を見せたりするにはこの上なく便利で快適なのである。またこのアルミ製羽根(スタンド)の中央には丸孔が開いており、壁掛けタブレットとしても使えるのだというからいろいろ遊べそうだ。
- 画面:10.1インチ
- ストレージ:16GB
- OS:Android 4.4.2
- 通信:Wi-Fi+SIMフリー
■さっそく使い始める〜ハードウエア
丸いバッテリー部分が特徴的 |
バッテリー部から羽根が生えて立つのだ |
背面から。比較はiPhone6。 |
スタンドを使って低く立てて寝かせて使うスタイルもなかな内職モードであろう。この角度だと後ろの席から覗き込まれる心配がないのだ。スマホいじってるとなんだか遊んでる風に見えるだろうし、パソコン立ち上げてキーボードカチカチするってのはいかにも内職バレバレでさすがに躊躇する。でもタブレットを寝かして利用しているぶんには目立たないし、バレてもメモとっているだけって言い訳できそうだから、重宝するに違いない。
か良い。見下ろす形になるけど、少し傾斜がつくのでソフトウエアキーボードで入力するときなんかは快適になる。このスタイルが本領発揮するのは退屈な会議や講演会などでの
ところで8インチでなく10.1インチモデルを選択したのでそこそこデカイし重い。調べてみたら初代iPadとほぼ同じサイズ、重量、ついでに記憶容量(16GB)も購入価格もほとんど同じだった。表現を変えればこの4年間でいかにiPadが軽くなり高くなったかってことだろうけど。いつも持ち歩くカバンにはギリギリ入るし(MacBook Airは無理)慣れれば肩こりするほどのこともないのでまあいいかなと。インナーケースはダイソーの100円ケースが完璧フィット。
名付けて内職モード。 |
常用バッグにギリギリ入った |
■さっそく使い始める〜ソフトウエア
AndroidOSにはあまり違和感なかったと先ほど書いたけど、だからといってまったくiPadと同じようにすぐ使えたというわけではない。指先に染み込んでいたジェスチャはもちろん、ちょっとした挙動が少しずつ違うと見た目が似ている分だけギャップを大きく感じてしまう。また同じクラウド系のアプリでもやはりまったく同じ動作をするわけではない。ブラウザはMacと同じChromeをデフォルトにしたけど、パソコン版と同じ動作をするわけではないのでやはり多少の慣れは必要みたいだ。
縦に利用する方が快適かも |
便利な内蔵スタンドは横画面にしか対応していない(縦位置では独り立ちしない)のでどうしても横位置で利用するシーンがメインとなる。Huluで映画を見たりするには最適なんだけど、たとえばFacebookみたいな縦方向へのスクロールを基本とするサービスだとどうも横に間延びした気がしてしまうのだ。特にFBのアプリを使うと誰かの投稿写真が画面いっぱいに拡大されたりする。旨そうな料理の写真とかならまだしも知り合いの顔がほぼ実物大で迫ってくるのはなかなかしんどいものだ(というわけでFBは専用アプリではなくChromeで見ることにした)。縦位置でも立てば良いのになあ。
Android画面下部のソフトボタン |
フォルダやファイルが普通に見える |
キーボードとマウスを接続した |
それにプリインストールされてるアプリにはファイラー(ExplorerやFinder的なもの)もありそれを起動してみると本体内部やSDカード内のファイルがフォルダ構造そのままに拡張子に至るまで全部丸見えとなる。これもiOSでは考えられないことだ。
キーボードとマウスでファイルを操作しながら「これパソコンじゃん」って思えてきた。感覚的にはiOSとWindowsの中間点にあるのが現在のAndroidタブレットなのだと思う。
SDカードという外部ストレージが使えるのでパソコンのファイルを同期して持ち出すことは可能だし、DropboxやGoogleドライブも普通に使えるので短い出張などにはパソコンを持ち歩かなくてもこれだけである程度の仕事はができそうな気がする。
フォルダ内のPDFをサムネイル表示 |
全文検索インデックスアプリ |
次にAndroSearchというアプリで全文テキスト検索が可能なことも。
この2つをインストールすると手持ちの12,000を越える文書を高速に全文テキスト検索→サムネイル表示に成功してしまった。こうなるとますますパソコンだ。iPadで同じことをやろうとしたらかなり特殊なことをしなければならないがにAndroidだと簡単だった(いやこっちが普通なんだろうけど)。
■SIMフリーを試してみた〜OCNモバイルONE
さて次は通信環境だ。最近よく耳にするMVNOに挑戦しようとあちこち検索して調べる。僕の望むMVNO、格安SIM業者の選定基準は
OCNモバイルONE |
- 自宅で仕事しているので通常はWi-Fi環境のみで利用
- 出張や外出時にのみLTEデータ通信利用(現状iPhoneテザリング)
- どれくらいのパケットを利用するか試行錯誤しないとわからない
- 今春以降のSIMロック解除後のビジネス環境についてリサーチしておきたい
SIMスロットとSDカードスロット。 |
2015.1段階での費用 |
しかも専用アプリを利用すると「ターボモードオフ」という超便利な機能が使えるときた。これは上限に達する前にターボモードをオフにしておくと200kpbsの速度に変更され、70MBの制限容量を消費しないのである。一日何度でも切り替えることができるので、外出時は通常オフにしておき、速度が必要なときだけアプリからターボモードをオンにすれば快適に高速通信できるというわけで、これは便利。
また1月からは前日に利用しなかったパケットを翌日に限り繰越しもできるようになったので、僕みたいに毎日外出しない人間にとってはこれまた便利になった。もちろんテザリングもできるからMacBook Airにネット回線を送ることもできる。カフェでYOGAとMBAの2台同時にならべて仕事する意味があるかどうか不明だけどでかいモバイルルーターとしての活用は十分にありだと思う。
■さてそろそろ結論だけど
なんだかずいぶんな長文になってしまった。なんでここまで熱くなれるのかわからんがデジタルガジェットってのは奥が深いのだ。かれこれ1ヶ月半ほど使っているのだけど、そろそろいくつかの不満も出てきた。- 意外とバッテリー持たないやん〜18時間ではなく5〜6時間くらいな感じ?
- ちょっとした動作はiOSのエレガンスさには届かない気がして少し残念
- 細かな設定ができるのは面白いけど買うたびにチューニングするのは面倒な気が
- iCloud使えないのでiPhoneやMacとの連携が自動でなく手間である
- 画像出力できないのでプロジェクター接続できないのは想定外に厳しい
とまあそんな感じです。最後の5番は事前に調べてなかった僕のミスであってAndroidやYOGAに非はないのだけどあちこちで講演する人にはちょっと痛いかも。まあ上記ポイントはすべてiPhoneやMacと同時に使ってるからこそそう感じたに過ぎなく、Android携帯とWindowsPCと使ってる人だったら何の問題もないと思う。
さて今後もずっとこのタブレットを使い続けていくか、と自分に問うてみると、う〜んとちょっと考えてしまう。慣れの問題だからそのうち離れられなくなるのかもしれないけど、iPad Proなんてのが発売されたらあっさり乗り換えてしまいそうな気もする。浮気男、本妻に連れ戻されるの図って感じで。
でもこれからどんどんクラウド的な時代になるわけで、手元のデバイスに何を選ぶかなんてのはもはや趣味の問題でしかなくなるのだろう。その意味ではいつも飽きずにワクワクドキドキしながら触れるためにあちこち浮気を繰り返すのが良いのかもしれない(あくまで電子機器の話です)。
ギター練習マシンとして優秀である。 |
余談になりますがいまもっともYOGAタブレット2が活ギターの練習時なのであります。今月もまたバンドの補欠出演が決まりまして、月末までに12曲ほどコピーしないといけないのですが、Evernoteに書いた歌詞とコード進行、それに貼り付けた音源にあわせてギターを練習するにはこのタブレットのサイズ、スタンド、ドルビーサラウンドステレオスピーカーは素晴らしく便利なのです。ここはダントツにiPadよりも優れているのでしばらくは手放せそうにありません。
躍しているのは
以上えらく長くなってしまいましたがこちらからは以上です。
【後日談 2015/08/12】
さてこのYOGAタブレットなのだけど,その後も使い続けては来たのですがどうも出張時に限ってトラブルが多発し、仕事に使うのはどうも・・・とだんだん敬遠するようになってしまったのでした。その理由は1)とにかく未使用時のバッテリー消費がひどい
フル充電した状態から5日も放置すると起動しないレベルのバッテリー消費なのです。公称15時間とかなんの冗談?といいたくもなり。iPadだと未使用時1ヶ月以上はなんてことなくバッテリー持ってた。ところがこのタブレット君、いつ出かけることになるか判らない場合、常に電源に差し込んだ状態で待機させておくといった使い方になってしまう。いろいろ解析してみるとWi-Fiによる消耗が大きそうなので、未使用時には常に機内モード、というルールを設定してみたら少しはましになった。でもなんだかそれも違うんじゃないかと。。
2)ときおりシャットダウンして起動しない現象
これは調べてみるとネット上でもいくつか告発されており、既知の問題のようだ。出張先で利用しようとスイッチをONにしてみてもまったく反応しない。仕方がないのでスイッチを長押しして強制再起動、まるで古いDOSのような画面を長めながら延々と起動するまで待たされるという現象に悩まされた。僕の場合はなぜか飛行機から降りた後によく発生したのでもしかしたらパーツの一部が気圧に敏感なのかもしれない。仕事でいざ、というときに延々待たされるのは何とも格好悪い。
3)画面が横長すぎる
このあたりからは愚痴というか言いがかりなんだけど、iPadに比べると横長すぎる画面は仕事にはちょっと使いづらい(上の方にも書いてるけど)。ならばiPhone6はどうなんだ、といわれそうだけどあれは横長でなくて縦長だ。ほぼ縦位置で利用しているから気にならない。でもこのYOGA2はスタンドがついてるだけにほとんど横位置で利用するのだ(特にビジネス時)。そうなると「横に広い」のではなく「縦に窮屈」にしか見えないのだ。WEBサイトなどで説明する場合、やたら横の広告ばかり表示されてコンテンツを見せるのにストローク地獄、という状況が続く。iPadってやっぱよく考えられてるんだなあと逆に感心する始末。
4)Huluがまともに再生できない
もう仕事に使うのは諦め、ひたすらHuluで映画みるのだとある日決意したのだけど、これまたどうにも具合が悪いのだ。ステレオスピーカーの鳴りはとても良いのだけど、しかし1分に一度くらいかならず音声が止まるのだ。しゃっくりみたいに。もう確実に、ひっかかる。そんな状態で映画見てるとだんだん「次はどこで引っかかるのか」という意識が脳の大半を占めるようになってしまい物語を追うどころではなくなる。CPUやメモリの問題だろうか。でも性能的にはこれよりずっと格下の初代iPad miniだと何のストレスもない。チューニングの問題だと思う。適当にパーツを集めて適当にOS組んで適当に売り出した感がすごくする。その点何もかも煮つめて発売まで持っていくAppleってすごいんじゃないかとこれまた逆の感心を。
5)売るに売れないのだった
もう愚痴ばっかり言ってても仕方ない、と東京出張の際に秋葉原によってひとつ前のiPad Air (Wi-Fi32GB)を中古で購入した。持っていたiPad miniを買い取ってもらったので追銭3万円程度だった。これでYOGAが2万円程度で売れたら最終的に追銭1万円ということだから、まあ半年間の体験としたら良い方かな、と。ところがネットで調べてみると「ソフマップではYOGA2タブレットの買取を中止しています」と表示されるではないか。
次に秋葉原に寄った際にソフマップ買取センターに顔を出し、これはどういうことなんでしょうかと尋ねてみたところ「OSレベルでの完全初期化ができないことが判り、当グループとしてはプライバシーの保護ができないと判断しました、これが覆ることはたぶんないです」との悲しいお知らせ。売るに売れないのであった。
ソフマップ買取の画面 |
ということで仕方がないので帰省中の息子にあげることにした。どうせろくな使い方はしないだろうからタダなら不満もあるまい。OCNのSIMカードについてはなんと以前つかっていたイーモバイルのポケットWi-Fiが実はSIMフリーだということがわかり、100円で買ったSIMアダプタを使うだけで普通に利用できてしまったのでこちらで利用継続に。
息子にゆずる前にOSをAndroid5.0(ロリポップ)に上げておいた。ますます使い方が判らなくなってしまった。でももしかしたらHuluのトラブルなどはこれで解決してるのかも、と試してみたところアプリが起動すらしなかった(T_T)
まああとはオタク道を究める息子が何とかすることでしょうってことで8ヶ月に及んだyogaタブレット体験記は終わってしまいました。
とても面白くためになりました。
返信削除おおきにどうもです。たまには浮気もいいもんだって話、ではございません(^_^;)
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