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2026/01/25エメラルドグリーンの秘境、クアンシーの滝ツアー

太鼓の音で目覚めた。托鉢を観に行こうと妻を誘うが遅くまで起きていたからまだ寝ると言うので一人で外出することにした。ひんやりとした外に出るとまだ暗い。宿の前にも西洋人が路肩に座らされ地元おばちゃんの指導を受けている。 寝ている妻を部屋に置いて大通りに出ると今朝もまた大勢の観光客たちが歩道の横に並べられたプラスチック椅子に座っていた。昨日よりもちょっと離れた場所まで歩いてみたけどちょうどそのあたりで僧侶の列は終わっていた。
7時過ぎから今日もフロント前の椅子に座ってクロワッサンとコーヒー、それにフルーツのセルフ式朝食。GDPといった数値では最貧国に近いといわれているラオスだけど、特に食においては日本よりも豊かなのかもしれない。元々インドシナ半島はメコンのおかげで食べ物に恵まれている。そこに西洋スタイルもミックスされ中国、インドや日本とはちがう食文化があるように感じる。外国人向けの観光宿で判断すべきことでもないけどなんとなく。そしてなぜかラジオ体操を始める僕ら。 

ほどなくして宿の前にハイエースが登場。昨日予約したクアンシーの滝へのエコツアーだ。それにしてもどこ見渡しても白いハイエースだ。タイに工場を持つからなのだろうけど上手く商売してるんだろうな。あちこちのホテルをまわりながら13人とドライバー、ガイドの合計15人が揃ったところで山の奥へと向かう。一昨日鉄道駅から連れ回された道路に比べるとずいぶん整備されている感じだ。 ガイド氏のわかりやすい英語で今日の予定が説明されたがなんとナイトマーケットまでの1日ツアーだという。でもその中で3人だけは半日のツアーだと言われ、あそれが僕らのことか、と納得。僕らはランチ前にホテルに戻されるがその後残りのメンバーはランチ、ゾウ体験、メコンウィスキー工場、ナイトマーケットと夜までの豪華ツアーで後で聞いたら1万円くらいするらしい。13人中で日本人は僕ら二人と単独行動の男性が二人で合計4人だった。大阪のおじさんとシンガポールで働く男性。あとは台湾、ドイツ、あとどこだっけ、とにかく世界中からの客で満杯のハイエースは1時間ほどして終点に到着した。

車のナンバーを撮影しておくように、と何度も注意される。たしかにあたりは全部白いハイエースなんだから容易に自分たちの車を見失ってしまいそうだ。ガイド氏がまとめて購入したチケットを渡されげゲートイン。しばらく歩いた寺院の庭園でこれからの行動が説明された。今は9時半だけどこのあと12時までここにいます、100m超えの滝までそれぞれ歩いてゆっくり楽しんでください、集合はこの場所で11時50分ですよと。左の道は100mを超える滝の上まで登るコース、右の道は滝を下から望むコースですよと言われ、全員右を選ぶ。  
歩き始めてしばらくするとFree the Bearsというコーナーにでる。このあたりに生息していたクマを捕獲し保護しているらしい。確かに黒いクマたちがのんびり過ごしていた。世界中のクマは絶滅期危惧種で保護が必要との説明だが、日本のクマだけは人類に反旗を翻してるってことか。 さらに登るとターコイズブルーの滝がいくつも続く。ネットで調べるとカルシウムが多く含まれるためこの色になるそうだ。あまりに美しいのでディズニーランドの偽物みたいにさえ見える。まだ肌寒いのに水着ではしゃぐ西洋人もいた。 
 中国人たちと陣取り合戦しながら写真を撮ったりして楽しい。平和だ。トランプだのネタニヤフなどが残忍な陣取り合戦を繰り返すこの地球上で僕らはモデル気取りで滝の前をポーズを取っている。見知らぬ誰かにスマホのシャッターを押してもらう。不慣れな英語でなくても意思は通じる。インターネットのおかげで人類はここまで均一な文化を持つことができた。そして今インターネットのおかげで国同士の陰惨な非難合戦をはじめている。ラオスには何があるのですかと書いた日本の作家がいたが、ここにはまだ平和が息づいていたんですと答えたい。無作法で下品な先進国の文化がまだ届いていない、という意味で。

そこそこに疲れてきたし僕らはベンチで一休み。見渡すと広場の奥に金属製の階段を見つけたので一人で登ってみることにした。登り始めて気がついたのだが、ここは542段もの心臓破りの階段だった。でもいまさら引き返せるかという気になってしまい、ようやく頂上に辿り着いた頃にはもうへとへと、膝が笑っているのだった。そこはケーブルにつかまって移動するジップラインの乗り場だったのだ。もうあまり時間がないのと、財布を妻に預けっぱなしで現金の持ち合わせがない僕はとぼとぼ来た道を帰るしかなかった。下りはさすがに楽だった。
レストランでひとりビールを飲んでいた妻と合流し、待ち合わせのお寺に時間通り到着。ゲートを出ると幼児用の四輪車で爆走する土産屋の女児が世界中からの観光客たちの注目を集めていた。 シンガポール駐在の日本人男性と僕らだけが半日ツアーなので街のどこかで下ろされる。その後やってきたKIAのバンにピックアップされナイトマーケット近くの彼のホテル、僕らのホテル、とスムーズに送ってくれたのだった。

午後1時だ。ランチでも行くかとGoogleマップで見つけた近所の定食屋さんまで歩く。NangTongというお店は地元民や観光客でいっぱいだ。金魚がたくさんいる。自慢料理だというオムレツと、ラープにカオニャオ(もち米)をオーダー。ビールは勝手に飲んで自己申告みたい。ちょっと濃いめの味付けでビールが進む。昼の疲れも手伝って妙に幸せな気分で昼から酩酊である。
2時間ほど部屋で休むことに。スマホも体も充電が必要なのだ。17時、そろそろ日が暮れるよ、と部屋を出て国立博物館の横あたりからプーシーの丘へと登る。なんでも日没が美しい屈指の観光地らしい。そして僕にとっては昼のクアンシーに続いてこちらも階段地獄である。暑いしさすがにこれはきつい。でも急がないと日が暮れる。

頂上に着くと大勢の観光客たちがスマホを手に夕日を拝んでいた。そういえばカンボジアでもメキシコでも同じような光景の中にいたけどやたらと日本語が聞こえてくるのは日本人の日没好きのせいかな。 大阪弁のおっちゃんの横で写真を撮っているとあっという間に太陽は山の中に沈んでいった。なんとはなしに来た道とは違うルートを選ぶとルアンパバーン空港が見えたり、山腹の寺院でお経をあげる少年僧たちに出会えたりして相変わらず僕らは持っている。

ナイトマーケットまで戻るともう町は大騒ぎ。カオニャオ(もち米)を入れるティップカオを3つほど買い、初めて歩く横丁に入ったりしてぶらぶらするのが楽しい。シンガポール駐在男が泊まっていたホテルのすぐ横にシンダート(ラオス式BBQ)がおいしかったというしばらく前のブログを頼りにそれらしきお店Seendat - Laos BBQに入り、テーブル確保。 
プラスチックの椅子に腰かけ、カンカンに熱した炭を入れたジンギスカン鍋みたいなの周囲にオリジナルタレを巡らせ、イケメン店員が焼肉の準備をしてくれた。ビアラオ飲みつつ、豚バラ、野菜、卵、卵豆腐といった食材を焼いてはタレに浸しくう。うまい。周囲は欧米若者グループやらクラスメート的な地元男女グループがこれでもかと肉を焼いて食っている。僕ら負けじと食べたかったけど脂分に押されてお肉は一皿でギブアップ。妻はがっついてたけど。 1時間ほどで満腹酩酊し会計すると二人で1600円ほどだった。やっすー。
帰り道にまた不思議なウィスキーを買って宿へ。気分の悪い僕はトイレで軽く戻し、そのままシャワーを浴びて寝てしまった。妻は部屋でも遅くまで飲んでいたらしい。今日がルアンパバーン最後の夜だ。明日からはスローボートに乗ってメコン川を遡上しタイを目指すのだ。

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