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2026/01/28ファイサーイからタイ入国、バスでチェンマイへ

ラオスとタイの国境にあるファイサーイで目を覚ます。妻も早起きしたようだ。近くの寺院に登るとメコン川が一望できるというのでカメラを持って朝散歩へ。日の出前でまだ暗い道をしばらく歩く。途中道を間違えて小山を一周近くしてしまい、きつい階段を上がることになったけどまたそれも楽しかった。 暗い寺院には数名の僧侶をのぞいて誰も見かけず静寂そのものだった。東の空からゆっくりと赤くなり対岸のタイにも豪華な寺院が並んでいる様子が見える。妻はここでもラジオ体操を踊り出す。
車道を下りしていくとさっきの道に出てファイサーイのメイン通りに戻った。歩道の外に托鉢の準備がなされていた。程なくしてさっきのお寺からオレンジ色の僧衣の托鉢僧たちが下りてきた。ルアンパバーンで見た大行列ではなく、せいぜい10人くらいの集団だ。供出する側も同じくらいの人数で、観光客らしき姿はない。ルアンパバーンとは異なり、僧侶が受け取ったカオニャオ(もち米)やお菓子類はカートに積んだりして大事に持ち帰っているようだ。そして受け取るたびにお礼なのだろうか1分ほどの祈りを捧げていく。美しい5度の和音になるその祈りは宗教というより芸術のようにも聞こえた。 

宿に戻り、軽くパッキングした後、一階のレストランに上がると朝食サービスが始まっていた。昨夜は満室だったみたいだけど、部屋数が少ないから混雑はしてない。軽く焼いたバインミーを客が自らサンドイッチするシステムだ。道向かいの小学校を眺めながら涼しい朝食は最高だった。 昨夜はお米最高だなんて書いてたのにはやくも宗旨替えだ。早起きして異国の屋外で食べるんだから何だって美味しいというのが真実だろう。
部屋に戻って荷物をまとめ、9時にレストランに上がり、第4友好橋まで送ってくれる車を待つ。代金は二人で20万キープと宿泊代に匹敵するが、10km近く離れているのでそういうもんだろう。タクシーかと思いきやお店の主人?が自家用車で送ってくれるのであった。 宿を離れてしばらくしても道の両側に商店が並んでいたので、その前に泊まったパークベンに比べると大きな街なのだろう。少なともボート客だけを頼りに稼いでいるといった感じはない。どちらも落ち着いてていい感じだけど。
15分くらい走ると第4友好橋のたもとに建つ出国事務所だ。そこで下りて出国手続きを済ます。用紙に記入してパスポートを見せるだけであっけなく出国した。でたらバス乗り場があり、チケットを買うと小さなバスで国境の橋を渡る。両替する時間がなかったのでキープで払い、100バーツのお釣りをくれた。 バスにはヨーロッパの老夫婦が自転車を2台持ち込んできた。70代くらいだろうけど、自転車でインドシナ半島回ってるんだ。すげえ。 立派な橋を渡ると今度は入国管理事務所だ。パスポートを掴んで受付に行くと、TDACは持ってるか?と軍服おじさん。きょとんとしてると1台だけある縦型のタッチパネルに案内された。どうやら紙の書類ではなく電子申請しなさいってことらしい。 英語モードにしてくれたので問題なく入力を進めるけど、今夜から泊まる宿の地域名がわからない。表示される選択肢に住所の町名がないのだ。事務所の女性に尋ねると翻訳マシンを持ってやってきてくれた。まあこれは地元民しかわからんよなあ。面倒なことに妻の分もそれらを1から再入力する必要があり、これまた時間をかけてしまう。指定のアドレスに届いたメールを見せ、パスポートを提示したらようやく入国。
軍服おじさんに笑顔が戻ってお水の入った小さなペットボトルをくれた。2019年以来のタイ入国だ。 建物の出口にはトゥクトゥクの切符売り場があり、目的地を告げると定められた料金を先に払うという安心システム。チェンマイまでのバス停を告げると言われた料金がさっきの100バーツに少し足りない。すぐそこのATMでバーツをキャッシングして支払う。 さっきまでチケット売り場で何やらビニール袋に入ったテイクアウト料理を食べてたおばちゃんがこの車に乗れという。親切だなあと感心していたらそのまま運転席に入ってエンジンを始動した。
僕らを荷台のベンチシートに乗せて10分ほどで生鮮市場に到着。チェンマイへは道渡ったあのバスだ、と言われて走ると予定時刻ジャストのバスだった。予約して支払いもすませてたけど多分遅刻だなあと諦めていたのだ。なんと間に合ってしまった。 定刻を少し過ぎて走り出したバスにはトイレも完備している。でもWi-Fiやスマホの充電はない。僕らは1番後ろの席なのでリクライニングし放題なのは嬉しい。すぐ後ろがトイレだし。 さてここから5時間40分かけてチェンマイへと高速道路をひた走るだけ。僕らは居眠りしたりKindleで昨日買ったアヘン王国を読んだり、旅の準備をしたり時折仕事をしたり。途中チェンライで多くの乗客を乗せる際には菓子パンを買うこともできた。でもビールは売ってなかった。 

再び南下を始めたバスは工事中区間でやたら揺れたり盛大に追い越されたりしながらも確実に進んでいく。車内でアヘン王国潜入記を読み終えた。やはり書かれた場所で読む体験はおもしろかった。先日予約購入していた又吉直樹の新刊「生きとるわ」が発刊されていたのでダウンロードして読み始める。相変わらず面白い。どこで読んだかってのも一生残る記憶だ。 妻は隣でずっと寝ているが僕は意外に眠くならない。毎日しっかり寝ているせいだろう。また移動中はほとんど体を動かしてないし、今日に限ってはお酒も飲んでない。まだまだ時間はあるからダウンロードしておいた映画でも見ようかって考えたりもしたけど、9時間近い船旅を二日続けると5時間のバス旅なんてあっという間に終わってしまう。道路は徐々に混み始め、チェンマイに近づいているようだ。

16時過ぎ、チェンマイのバスターミナルで僕らは降ろされた。満員客は西洋人6割、アジア人4割ってところか。ラオスに比べると南にあるせいか気温も高い気がする。見渡すとさすがに都会だ。GEMINIに教えてもらった配車サービスBoltで宿までのクルマを呼ぶと突然トイレに行きたいと妻はバスターミナルに戻ってしまった。5分後に到着した若いドライバーを数分待たせた後、約3kmの道を渋滞しながら出発。トゥクトゥクに比べると静かで良いし、人数計算ではないからこちらの方が安いらしい。
おっと17時だ。日本時間19時から京都のイベント会社とオンラインミーティングだった。スマホでZOOMを起動し、後部座席で参加する。先方もどこいるんですか!と驚いていたが仕方がない。また運転手にとっては知らない言語でぶつぶつ話すおじさんは少し不気味だったかもしれない。 会議が終わらぬ状態でセブンイレブンに到着した。
この隣の建物の2階が今回Airbnbで5泊を予約した宿である。ここまでの中ではかなり高級に見える部屋。かといって高いわけでもないがラオスに比べるとずいぶんとおしゃれなつくりである。なんてことを感じる暇もなく僕はそのままリモート会議に参加し続け、終了後もベランダに上がってタスクを続けたのであった。 
 18時、ようやくひと段落できたのでご飯に出ようかと外に出る。あるんだかないんだかの歩道の横をトゥクトゥクやソンテオがすり抜けていくし、足元にもデコボコが多いので割と注意して歩く。数百メートル歩くと妻がガイドブックで見つけたタイレストラン、アルーンライであった。広々としたオープンエアの空間には観光客から地元客が多く、配膳係のおばちゃんはみな笑顔の小太りである。まずいわけがない。
僕らは缶ビール2本とパパイヤサラダ、お肉たっぷりのカレーにスティッキーライスを注文。さらにソーセージも追加した。どれも美味しくてライスもさらに追加した。ラオスに比べると圧倒的に店員は素早く動き、料理の提供も早い。これが競争社会ってことなんだなあなどと妙に感心してしまう。次から次にやってくるお客たちの回転も早い。これから次に行くよって感じ。このお店自体も20時半には店じまいらしい。 
 2人で2000円程度を支払い、すっかり満足してお店を出た僕らは腹ごなしに少し散歩することに。気温は暑くもなく寒くもなくだ。水曜日の晩だけど夜のチェンマイはお祭りのようだ(ラオスに比べるとだけど)。マッサージ店やカナビスを売る店がずらっと並んでいる。大音量の音楽を流してトゥクトゥクが追い越していく。でもどこにも危険な香りはしない。ここも同じく平和だ。
ターペー門をくぐって旧市街に入ると少し静かになった。お土産屋さんやライトアップされた寺院を眺めたりしてたらもう眠くなってきたので帰ることに。コンビニ前に自動ヘルメット洗浄マシンが置いてあって面白かった。やっぱりバイク文化なんだ。セブンイレブンで買い物して2階の部屋に戻る。24時間開いているセブンイレブンがあるなんて、なんて資本主義的なんだ。静謐なラオスから突然ガヤガヤした世界に帰ってきた気がする。それでもバンコクなどに比べれば断然静かなのだろうが。

シャワーを浴びたらすっかり眠くなった。この部屋にもテレビはない。スマホとiPadでちょこっと仕事の確認をしていたら、もう寝ていたようだ。まだ21時台だというのに。時差なんてないはずなのに、何かのギャップに身体が追いついていないのかもしれない。


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